安田の長文ツイート

ツイッター:@xNelonex

就活ばなしNo.4つづき

みなさ〜ん!「トライアル雇用」って知ってますか?

…………….。返事がありませんね。これはお仕置きが必要なようだ。

はい。前回の続きですが、IT企業でトライアル雇用をすることになったんですよね。トライアル雇用とは、企業が短期間だけ求職者を雇用し、企業側と求職者側でお互いに適性を判断するというものです。前回の話はその点を抑えておけば大丈夫なので読まなくていいです。では始めます。

 

ふふふ。実はね、安田はIT企業のトライアルが始まる前に、練習も兼ねてSwiftというプログラム言語でノベルゲームを作成していたのだ。これで一目置かれようというわけさ。ああ、会社の奴らが驚いて飛び上がるのが目に浮かぶぜ。

3日間あるトライアルの初日、まず期間中にやってほしいことを説明された。この会社が開発に携わった動画アプリを作成してほしいということだった。そんな無茶な!業務で作られたアプリを未経験の俺が作れと!?事前に俺が作ったアプリとは比べ物にならないくらい難しいじゃないか!一応、作ったアプリを会社の人に見せると、驚いて飛び上がるどころか、「ノベルゲームって簡単にできますよね」って一蹴されちゃいました。笑えよ。

……….俺は静かに一人でプログラムを組み始めた。あれ?これって家で自作アプリ作っている時と変わらないよね?トライアルとは?せっかくトライアルをしているのだから、何か実のあるものを得なければ。会社の部屋を見渡す。特になんの変哲もない、綺麗な部屋だ。所長が10分毎にベランダを開けてタバコを吸う。もう一人いる社員は、たまにスマホをいじりながらパソコンを操作している。………….。

昼ごはんは、所長に奢ってもらった。所長が食べたいということで焼き魚だ。所長は結構喋る方で、色々と話してもらった。俺が企業に抱いていたイメージと違って、感じが良い人だ。食べながら談笑したあとは会社に戻って特に何事もなく作業を進め、今日1日の進捗を発表して帰った。

 

二日目も特に変わった点はなかった。強いて言えば、進捗が全然なかったということだ。わかる方もいると思うが、パソコンのソフトってエラーが出ることがあって、それが使用者が原因だとも限らないのだ。エラーが発生して全然解決せずに絶望し、他のやり方に変えて進めたが、結局進捗がなかった。俺ってIT向いてないのかなと、ネガティブになった。腹立つのが、帰ろうとした直前でエラーが直ったことだ。

 

三日目は所長が出張でいなかったので、社員と二人きりになった。チャンスだと思い、社員に色々聞いてみた。

Q.ITってどんな性格の人がいますか?

A.いろんな性格の人がいますね。決まってないです。

Q.どんな人が向いていると思いますか?

A.人の話が聞ける人ですね。システムを開発するときにお客様から要望を聞いて設計をしなければならないので。

Q.昨日は進捗がなかった俺ですが、向いていると思いますか?

A.悪くはないと思いますよ。技術力よりも人の話を聞く能力、コミュニケーション能力が大事だと思います。

現場からは以上です。安田でした。

 

結果として、アプリは完成できなかった。カメラロールから動画を選択して、その動画のサムネイルを画面に表示し、ボタンを押すと動画が再生されるという機能が実装できただけだった。大学にいた時と似ている。完成できずに途中までで提出していたあの時に。感想としては、微妙という感じだった。俺が今やっているバイトは肉体労働で疲れるが、ITは逆に頭脳労働で疲れるといった具合だ。労働でこんなに頭を使う必要があるのか。このトライアルをきっかけにして、他の業種にも手を出してみようと思う。それに、こんなに応募しているのに採用されないのだから、客観的に見ても他の業種に変えるべきなのだろう。だからと言って、他に業種の候補がない….。また就活は振り出しに戻りだ。